ご自分で精神疾患(うつ病など)での障害年金を申請されるときの留意点

[記事公開日]2018/06/26
[最終更新日]2020/05/24

障害年金申請の多数(約8割)を占めるのは、精神疾患(うつ病など)です。

精神疾患で障害年金を申請するときの留意点をまとめてみました。

①通院期間が長期の場合、初診日をどのように決めればよいか、理解している。

②一人暮らしをしていない。

③働いていない(無職あるいは生活保護)

④医師の診断書のチェックポイントを理解している。

⑤自分で書く病歴・就労状況等申立書にまずいことが書いていない。

⑥年金事務所の相談・申請は、自分で行わない(ご家族がよい。)

この6点です。

①から⑥について、ご自分でコーディネートして全体的に問題なければ、ご自分で申請しても、申請が通る可能性が高いでしょう。

厳しい審査のため、申請者の約3分の1は不支給の可能性があります。

逆に言えば、全体的に問題があれば、社労士に依頼するべきでしょう。

障害年金は1発勝負なので、不支給の場合は、審査請求、再審査請求で覆ることは難しいと思われます。

 

現在、年金事務所は、予約制となっています。

わたしも、障害年金申請のため、福岡市内5か所の年金事務所に予約の電話をかけますが、どこも「きょうは、ダメです。予約で一杯です。」と断られてしまいます。

では、障害年金に慣れていない方が、社労士に頼まず、ご自分で申請される場合は、何回、年金事務所に足を運ばないといけないだろうか、考えてみました。

① まず一回目は、傷病名、初診日から現在に至るまでの経過、保険料納付状況、必要な申請書類の説明を受ける(1回目)。障害年金の相談時間は1時間となっている。1時間で、専門用語を使って盛りだくさんの内容の説明があるため、よくわからない方も多い。

② 初診の医師、現在の医師に診断書等の作成を依頼する。

③ 病歴・就労状況等申立書の書き方を理解し、ボールペンで記入する。初診から現在まで、読む側にわかりやすい表現で最低でも1千字は書いてください。

④ 住民票、戸籍などの必要書類を役所に申請し、入手する。

⑤ 上記②~④の書類がそろったら、年金事務所に申請する(2回目)。このとき、窓口職員の方から言われることが多いのは、診断書の記載もれと、病歴・就労状況等申立書の記載不足である。なかには、申立書を白紙で持ってくる人もいて、受付できないと言われる人も。

⑥ 診断書の記載もれを医師に記載してもらう。 病歴・就労状況等申立書は、自分で書き足して、年金事務所で申請する(3回目)。3回目で、ようやく受付完了。

⑦ 申請書類は、東京で審査され、いったん年金事務所に戻ってくる。年金事務所から、電話があり、電話で内容説明を受けても、さっぱり意味がわからないため、予約をとって年金事務所へ行く(4回目)。

⑧ 年金事務所に追加資料を提出し、ようやく申請完了(5回目

⑨ 3~4月後、支給または不支給の決定通知書がある。

⑩ 不支給通知書を持って、なぜ、不支給なのか、その理由を聞きに年金事務所に行く(6回目)。

 

このような流れではないでしょうか。年金事務所2回でOKの方は少なく、5回くらいは行かなくてはなりません。しかも申請月の翌月から障害年金がもらえる事後重症請求の方は、スピード感をもってやらなければなりません。会社員の方は、会社を5回も休めない方も多いでしょう。

やっぱり障害年金は、複雑・難解ですね。