軽度知的障害では障害年金はもらえない

[記事公開日]2018/06/26
[最終更新日]2021/08/17

知的障害は、医学用語では「精神発達遅滞」といいます。

診断書の傷病名に「知的障害」と書く医師もおられるし、「精神発達遅滞」と書く医師もおられます。

他の障害(たとえば発達障害や精神障害)との最大の相違点は、初診日を証明する「受診状況等証明書」を添付する必要がないことです。

けっこう、これって重要ですよね。障害年金は、あまり知られていない制度であるため、30代、40代になって申請するケースがあります。

しかし、発達障害や精神障害では、初診日が特定できずに、あきらめざるをえないケースもあります。

「病院が廃業していた」、「診療録が廃棄されていた」などがよくあるパターンです。

その点、知的障害は、受診状況等証明書がなくてもOKですが、問題は、軽度知的障害では、もらえる可能性が低い点があります。

そもそも療育手帳(東京都では愛の手帳)は、都道府県ごとに判定基準が違います。したがいまして、転勤族の方の知的障害の子どもさんが、引っ越して、県が変わると、判定を受けなおさなければなりません。とても面倒で、親御さんも大変です。手帳も、新しく発行してもらわなければなりません。写真も必要です。

身体障害者手帳が、県が変わっても、住所変更は必要であるものの、そのまま使えるのとは大違いです。福岡市内にも、北は北海道発行から南は沖縄県発行のものまで、ありとあらゆる種類の身障者手帳が使われています。「身障者手帳は全国ベース、療育手帳は県ベース」といわれるゆえんです。

軽度知的障害の場合、療育手帳をはじめとするさまざまな福祉サービスを利用されるケースが多く、市区町村役場の窓口をちょくちょく訪れます。大多数は、お母さんが多いですね。役所では、申請要件に合致すれば、支給されないことはありません。おそらく、いろいろなものを申請し支給されてこられたと思います。

市区町村の窓口には、年金係があります。そこで、市区町村職員に障害年金の相談をすると、必要書類を渡されます。しかし、療育手帳B2を持っていたら、つまり軽度知的障害であれば、障害年金は厳しいと教えてくれる窓口職員は本当に少ないのが現状です。

「来るものは、拒まず」が、役所で生きていく処世術のようなもので、結局、市区町村は受付のみ、判定するのは、日本年金機構さんなので、「これと、これが必要です」と、言ったような説明をうけるだけで、あとは私には関係なしのスタンス。書類は受理されると、事務センター経由で東京に送られます。

実際、知的障害の判定基準を全く知らない市区町村職員が多いですので、無理はないかもしれません。彼女らも人事異動で数年だけ障害年金をやっているわけですから、責められません。仕事に慣れた頃には、異動します。次の仕事は、ごみであったり、教育であったり、水道であったり、税金であったり、本当にさまざまな仕事に従事します。

当然、軽度知的障害では、障害年金は厳しいという情報は、市区町村職員からもなく、ご自分で申請してしまうわけですから、3~4か月後、不支給通知を受け取ることになります。

一度、ご自分で請求して、不支給となった場合は、まず障害年金は無理と思ってください。

逆に言えば、支給になった場合は、一生もらえると理解してもいいでしょう。

ご自分で申請するか、専門家(社労士)に依頼するかは、ご本人の知能指数(IQ)も確認しながら、検討されるといいでしょう。知能指数が高いと、やはり厳しいと言わざるを得ません。

けっこう、本人の知能指数を知らない方は、多いのです。療育手帳はB2と、あっさり書かれているのみですので。知能指数は記載されていません。

20歳のときが勝負の年。

障害年金の生涯受給予想額 3~4千万円がかかってくる大勝負。

障害年金は、1発勝負です。

不支給の場合は、審査請求、再審査請求を視野に入れながら、進めていくことが、望ましいでしょう。

再審査請求でようやく支給されることもあります。

ところで、話はややそれますが、療育手帳を持っていない人はどうなるの、という疑問が生じますよね。

答えは、療育手帳は持っていなくとも、障害年金は申請可能です。

小学校や中学校で全く成績が振るわず、通知表オール1の児童・生徒って結構いたりします。

しかし、福祉とつながらず、そのまま大人になり、現在に至る場合は、療育手帳は持っていません。障害年金も受けていません。

このような場合は、療育手帳なしで申請が可能です。

ご本人の一生を左右する障害年金のサポートに当事務所は取り組んでいます。

ご依頼の場合は、当事務所オリジナルのヒアリングシート(20ページ、100問程度、質問の一部:①靴ひもは結べますか②ネクタイは締められますか③ブラジャーは着けられますか④ごみ出しのルールは理解していますか)に基づき、詳細に聞き取りを行います。

申請書類は、東京へ送られます。現在は、東京一括審査に変わりましたので、どこの年金事務所に申請しても同じ取り扱いとなります。

着手金はありませんが、年金の受給がきまったら、成功報酬4か月分になります。

仕事で、なかなか休みがとれず役所に何度も行けない方や、障害年金の申請にあたり何を、どうすればいいのか、わからない方、申立書の書き方がわからないため、代書してほしい方など、知的障害に関しての実務経験と相談実績多数ある当事務所にお任せください。着手金なしの完全成功報酬制なので、安心です。

繰り返しになりますが、障害基礎年金 生涯受給額 3~4千万円がかかってくる大勝負のとき。

専門家(社労士)にまかせることで、不支給のリスクを少しでも緩和したい方には、おすすめです。

ご検討方、よろしくお願いいたします。